病気をはじめ、何らかの原因で長期間休職してしまった場合、焦りを感じることが多いだろう。早く以前の状態に戻りたい、周りにかけた迷惑を取り返したいという思いで、社会復帰したらバリバリ働こうと思っているはずである。しかし、職場へ復帰した直後から頑張りすぎてしまう事で、病状が再び悪化してしまう事も多い。ある程度慣れるまでは、働く時間を少なくし、できることと自分の体調などの兼ね合いを見ながら仕事を進められるようにしておきたい。
焦りすぎて無理をすることは良い結果につながらないことが多いのだ。始めはセーブしておき、徐々に出来ることを増やしていくという事を考えてみよう。それに、職場の理解も必要である。休職前の職場に戻る場合は、従来の働き方ではなく、余裕のある部署にしてもらったり、短時間勤務などの形が取れないかという事を相談しておきたい。また、上司や同僚などにも理解してもらえるように知らせておこう。復帰当初はどうしても通院のために休んだり、体調不良で働けない日も出てきてしまうものだ。そういった時に迷惑をかけてしまう事もある。それをあらかじめ知っておいてもらうかどうかで対応も変わってくるからだ。
一方、新しい職場を探して就職することになる場合は、仕事内容や労働時間に余裕を持てる仕事を選んでおくことがポイントだ。そうすることで、無理せずに働き続けることができ、完全な社会復帰を目指せる可能性が高くなる。体をいたわりながら、それでも少しずつ前進していくことを意識していこう。
病気や怪我で休職を余儀なくされることは誰の身にも起こり得ることである。入院にしても自宅療養にしても、長期になってしまうと、いつ社会復帰ができるのかと焦りが出てきて無理なリハビリをしてしまったり、仕事のことばかり考えてゆったり休めなかったりすることが往々にして起こってしまう。その結果、かえって休む期間が長くなるという悪循環に陥ってしまうのだ。休職期間はあくまでも心身を休めるために与えられた時間であると割り切って考え、のんびり、ゆったり物事を考えたほうが社会復帰は早くなる傾向にあるのだ。
しかし、まじめな人ほど休んでいることに敗北感や罪悪感を感じてしまい、自分は出世競争から取り残されてしまった、取引先に大きな迷惑をかけてしまったなどと考えてしまうかもしれない。けれど、会社は自分が思うほど休んでいることに対して悪い評価を与えていることは少ないものである。なぜなら誰の身にも起こりうることなのだから。上司や人事担当者もそのことは十分わかっているはずなので、「無理に会社に出てこい」「評価を下げるぞ」、などとあからさまに言ってくることはあり得ないはずだし、仮にあったとすれば会社や上司に問題があるといえる。だから休職しているときは焦ることなく、病気や怪我を治療することのみに専念すべきである。
そうすることが結果的に社会復帰を早め、仕事へ早期に復帰できる最良の方法なのだ。決して自分を責めない、周囲のことは気にしない、復帰後の良いイメージだけを持ちながら生活する、といったことが最も早期復帰への近道である。